最後のクリスマスの予定。

最後のクリスマスの予定が決まった。

 

「最後の」って付くだけでプレミアム感が一気に出て、急に名残惜しくなって寂しくなって、胸がこんなにも切なくなるのはどうしてだろう。

最後の挨拶、最後の機会、ファイナルセール、最終列車・・・。

特に、まだこれからも続くと思っていたものが急に終わるとなると更に寂しい。

 

 

冬休みは、これからもずっとあるものだと思っていた。

だから、今年のクリスマスの残念な予定が入った時も、「まぁ、こんな残念なクリスマスも一生に一回だから、楽しんでやろう。」なんて思っていたのに。

 

なんということだ。もうこれから冬休みなんてなかった。来年は社会人だ。気付けば最後の冬休みだった。何を私は勘違いをしていたのだ、クリスマスって平日だ。赤くない、黒字の日。つまり今年が、休みで迎えられる最後のクリスマスのはずだ。いや、はずだった、もう残念な予定が入ったのだから・・・。

ラストクリスマス(ホリデー)はもう去年に終えていたことになる。

 

かといって、これまでとろけるような甘いクリスマスを過ごしていたかというとそうではない。それは胸を張って言える。

この機会に、ここ5年間のクリスマスを振り返っておくことにする。

 

●高校2年生。塾で迎える。代ゼミのビデオ見てたっけ、冬期講習真っ最中だっけ。記憶が薄れていっているのに気付いてこれもまた切ないが、とりあえず塾にこもっていたのはよく覚えている。

●高校3年生。めでたく進路は決まっていたものの、クリスマス直前に彼氏にふられていた当時の私。元彼と新しい彼女が仲良く教室で一緒にセンター試験に向けて勉強しているなか、少し離れた生物室で親友と焼きそばを買ってきて食べた。雪国なので外は大吹雪の中、なぜか焼きそばをチョイスして買った。「キリストの誕生日なんだよね、今日。メリークリスマス。キリストさん、おめでとう。」って言いながら焼きそばを食べている自分たちは嫌いじゃなかった。

●大学1年生。夜行バスでイブに東京に行くという試みを行う。旅の名前は、「ラブストーリーはゆくりなし」。「ゆくりなし」とは古文単語で「突然に」ということであり、つまりそういう意味である。またの名を傷心旅行。共に旅に出たのは、あの一緒に焼きそばを食べた親友。この時期、二人とも恋に破れていた。「東京さ行って気分を変えよう!」そんな前向きな気持ちで始まった旅は、目黒や恵比須など、おしゃれな街をめぐって華やかに楽しく進んでいたはずだったのに、最後の最後に、イブの夜の表参道で恋人たちのクリスマスに衝突事故してしまう。イルミネーションを見に行こうなんて思いついたのが間違いだった。恋人達に囲まれてまっったく前に進めない。前も後ろも右も左もみーんなカップル。肩をくんだり手をつないだり見つめあったり。たまに幸せそうなご家族もいらっしゃったけど。二人して謎のツボに入ってしまい笑い続けた。さぞKYだっただろう。ごめんなさい。もう笑うしかなかったのだ。

●大学2年生。この年も親友と過ごしている。嵐山に行った。クリスマスにイルミネーションはだめだという昨年の反省を生かし、日本らしく、竹とか見に行こうよ、と。雪が降る嵐山はとても綺麗だった。これはよかった。けれど、帰ったらそれぞれテスト前だったので勉強をした。チューハイ片手に。一本しか飲んでいない。

●大学3年生。去年は牧場に行った。これまたあの親友と。クリスマスのないところに行こうよ、と。でも、クリスマスのないところなんてなかった。カップルたちは楽しそうに動物を見ていた。カップルに負けじとあえて二人であひるボートを全力で漕いだり、アルパカにテンションあがったり、前から乳搾りがしてみたかったという私の願いが叶ったりと本当に楽しかった。牛さんのお乳は温かくて柔らかかった。牛さんはサンタの帽子をかぶっていた。

 

自虐的に書いているが、思い返してみるとなかなか楽しいクリスマスを過ごしていた。爆笑しまくっているクリスマス。一緒に乳搾りに付き合ってくれる友達がいる私は幸せ者である(照)

 

そして今年のクリスマスの予定。

研究の発表会である。あの親友とは大学が違うので、今年もまた、とはならないが、また26か27にでも、時間を合わせてご飯でも行けたらなと思う。それか帰省した時でもいいかな。

今年は休みではなく大学の中で、えらい先生に囲まれて過ごす。今まで、「彼氏とじゃないけどw」ってネタにしていたあの日々は、実はとても輝かしいものだったのだ。休みの日に、思い思いの人と、自由に過ごせるって、どんなに幸せだったのか。

これからは、普通の平日として、出勤中に過ごしていく。

・・・今までこんなことでこんな風に大袈裟に書いてごめんなさい。

気持ちを入れ替えて頑張って働いていこうと思っている。

来年はどんな方たちと、どんな風に働いて過ごすのだろう。

そしていつの間にかクリスマスは平日なのが当たり前になって、「クリスマスの夜の過ごし方」しか考えなくなっていくのだろう。概念とか、価値観とか、知らない間に変わっていくのかな。

 

冬休みが終わる。学生が終わる。これからどんどん大人になっていく。

こんな些細なことでこれだけ考えるのも今年が最後だ。

そんな、今しかない気持ちを、ここに書いておこうと思った次第である。

 

以上自己満足の備忘録でした。