くるべきとき。

「みなさんこんばんは。10月最後の土曜日、いかがお過ごしでしょうか?」

久しぶりにラジオを聴き、流れてくる優しい声に涙が出て驚いた。

「いかがお過ごしでしょうか?」こんなおしゃれで優しいことを言われることは今の私の現実社会ではめったにない。気持ちが安らぐ。

「いかがお過ごしでしょうか?」え、もう10月も終わるんですか。2014年わたし何してたんだろう。ざっと振り返ってみて焦りが生まれ出す。

「いかがお過ごしでしょうか?」ごめんなさい、今日は卒論に手をつけもせず、録画してたドラマを思う存分見て、泣いたり笑ったりしてだらだらしておりました。いかがお過ごし、そうですね、1日中パジャマで引きこもっていました・・・。

たった一言でいろんな感情が一気に湧き起って涙が出てしまった。病んでいるのだろうか、いや、とても元気だと思う。

 

 

今日は父が用事のついでに実家からの荷物を運んでくれた。

リクエストをしていたものは、ラジカセ、お米、野菜。

実家にいた頃はよくラジオを聞いており、久しぶりにラジオを聞いて、やっぱりいいなと思った。これから秋の夜長(というよりも、卒論に追い込まれる日々)のお供にお世話になろうと思う。

カセットテープも入ったままになっており、流してみると思いがけずタイムスリップすることになってしまった。音楽を聴くとその時の気持ちがふわっとあふれてくるからちょっと心臓に悪かったりする。感傷的になっている場合でもないし、そんな劇的な過去があるわけではないけれど。

 

お米も野菜もありがたい。それに今回はおまけで、お菓子詰め合わせも入っていたし、手作りのパンも入っていた。普段は、節約のためもありお菓子は買わないので久しぶりにチョコレートを食べたような気がする。おいしい。母のパンも久しぶりで、なんだかほっとしてこれまた泣きそうになった。たぶん涙腺が壊れてる。

涙腺でいうと、最近はディズニーランドのクリスマスのCMで泣いた。涙腺がもろすぎて自分でも驚く。

 

 

「来るべき時」は終わってみてから気付くな、と思う。

普段からしっかりアンテナを張って、備えておくべきなのかもしれないが、私はそれができていない。ずっと願っていたことでさえも、実はあっさりと過ぎているなんてこともあった。本当にタイミングはわからないし難しいなと思う。「あれ、あ、そっか・・・。”さっき”のがそうだったんだ・・・」これは何ともいえない感情になる。

 

先日美容院に行き、トリートメントを頂いた。

「計4回分入ってますから、来るべき時に備えて使ってくださいね~。」

と言われ、はっとした。私の「来るべき時」とはいつなのだろう。けっこうお高めのトリートメントである。「その時はいつくるかわからない!!」と備えすぎると4日間で終わってしまうし、私のような現在デートの予定も入っていない人は、うっかりすると使う機会もないかもしれないし、難しい。そして、私は友人からも「タイミングが悪いで賞」(なんだこのいろいろ残念な賞は)をもらえるくらい、タイミングが悪いと周囲でも有名だ。(自慢でもなんでもない。)「時」がつかめなくて、もったいないことをしてしまいそうな予感がとても、する。

そもそも、「好きな人には会いたい時に会えないし、会いたくない時に会ってしまう」なんていうのは、私に限ったことではないあるあるかもしれないけれど・・・。

果たして素敵女子はどうなんだろう、スペシャルトリートメントはいつ使っていらっしゃるのだろう。私みたいに「もったいない」なんて思わず、常に使っていたりするのだろうか。常に準備ができている人は本当に尊敬する。

スペシャルトリートメントに限ったことではない。「いつか使おう」と思ってとっておいたものを、「よし、このために使うぞ」となったことがない。

 

この機会に、思い切って使ってみようか。

特にこれといったときめきイベントの予定はないけれど、使ってみようか。何かが変わるだろうか。

人知れず、こっそりと使ってみようかなと思う。